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温泉・観光業界の老舗業界紙、朝日タイムズ社の公式ブログです。本誌ではなかなか書けない楽しい記事を中心にお届けします。ほとんど役に立たないと思います。http://www.asahi-times.com

Friday, November 24, 2006

初谷温泉

 長野県佐久市の初谷(しょや)温泉を訪ねた。音(おん)だけで知っていた頃は、初夜温泉と思い込み、絶滅寸前の国内新婚旅行者が行けば似合いそうなどと思った直後に、今どき新婚旅行で初夜でもないかと、そこまでをワンセットで思った。もとは塩谷温泉という名称だったようだ。今年のGW明けから夏休み前にかけて玄関、ロビーまわりと客室をリニューアルしている。ロビーは天井を外し、梁がじかに見えるつくりにした。壁はクロスではなく、塗り壁だった。「お客様が最初に上がる場所ですから、やはり本物がいいかと」。経営者はそう話していた。最近はどうも、旅館で壁や床が気になる。照明は調光の利くスポットライトで、これは食事場所も同じだった。蛍光灯で全体を照らすより好きかな。宿の裏、10メートルほどにある源泉を見に行った。ステンレス製の四角い蓋を外すと、岩の窪みに源泉が溜まっていた。毎分2リットル、岩からにじみ出る温泉を大事に使っている。浴槽では、朝、入れ替えた温泉が減ると、センサーが感知して温泉を足す仕組みになっている。「循環はしていないんだけど、掛け流してもいないし、なんて呼べばいいんでしょうね。ガイドブックの取材でどれかに丸をつけてくれといわれると、いつも困るんです」。「源泉足し湯でいきましょう。千と千尋みたいでいいじゃない」と提案していきた。飲泉すると、しょっぱくて、まずくて変な味だった。なるほど塩谷温泉か。透明に見えた源泉は浴槽では赤茶色だった。成分が酸化してそんな色になるそうだ。隣には、透明なさら湯の浴槽があった。源泉の温度は冬場の2度から夏場の14度まで変化する。岩からにじみ出た瞬間か、溜まる間に気温で影響されるからなのかは聞かなかった。冷たい源泉を浴槽でじかに暖めていた。蒸気加熱というのだそうだ、浴槽の一角の木製の箱に装置が入っている。蒸気加熱泉とか蒸気造成泉の温泉地があるのは知っているけど、浴槽で蒸気で加熱しているのは初めてだった。カフェオレを頼むと牛乳を蒸気で温めえるようなものだろうか。染織工場で使われていた手法だそうだ。稲子温泉の、浴槽で加熱源泉を加熱前源泉で埋める方法といい、温泉の使い方にはいろいろある

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